内覧 物件B

二件目は当たり障りのないメールのやり取りをした不動産屋だった。

待ち合わせから少しつまづいた。メールで待ち合わせ時間を決めていたけど、この不動産屋だけ駐車場の有無や待ち合わせ場所の確認がなくメールの文末の署名に名前と住所が書かれていただけだった。

検索すれば分かることだけど、他2社は小さい気遣いが出来る担当者だっただけに若干不利なスタートだった。

 

着いてからも待ち時間があった。後の予定があることを伝えてあったため早めに来てくれと指定された時間は開店前だった。10分以上待って結局対応が始まったのは開店後だった。机の上には担当者のプロフィールが置いてあり、若い生年月日と学生時代打ち込んだスポーツが書いてある。

しばらくして現れた担当者は、なるほどスポーツマンらしいガッシリした体型で話す時言葉が出てこず一生懸命考えてから絞り出す言葉には好感が持てた。少し話をしてからまた待ち時間があり、要望に近い物件をいくつかプリントしてきてくれた。

あまり時間がなかったので近くの物件と問い合わせた物件、2件を見せてもらうことになった。

お客さんのために車の座席を目一杯前にして窮屈そうに運転する姿や裏表のなさそうな話しぶりはよかったけど、現地で「あれ、ここはこっちに移動させたはずなのに」とか、「あんまりライバル増やしてほしくないです」とか言っちゃうところは良くも悪くも正直だ。

 

物件Bは土地の持ち主がこだわって作ったそうで家具がいらないほど収納がたくさんあり、設備もよかった。内装の趣味は少し年配の方向けに見えた。一件目に見た物件Aがおしゃれすぎたのもよくなかった。

 

「まだ時間大丈夫ですか?」と聞いてこちらが考える素振りを見せると「あっやっぱりいいです」と引くところは悪くなかったけど、やっぱりちょっと経験が足りない感じがした。

見せてくれた2件目の物件は、奇跡的に不安を感じて断った不動産屋の物件だった。

読みは悪くないと思うので頑張って欲しい。