物件を決めた

建売や土地なども見せてもらいながら、問い合わせるか迷った物件があった。予算的にはギリギリ上限ラインで、前述の不動産屋が提案した○○駅周辺の中古の物件だ。夫は隣県への興味が高まっていたので、反応を見てから問い合わせようと考えていた。

仕事から帰ってきた夫に見せてみると意外にも「いいんじゃない?」というので、最短で見に行ける日に内覧を申し込んだ。居住中ということで土日しか予約出来ないようだった。事前に電話で探している条件やプロフィールの確認があった。駅から歩ける距離で駐車スペースも広くて物件までの道幅にもゆとりがあり、バス停やポストも近いけど騒音や排ガスは届かない距離でかなりの築浅。

ここまでの好条件だと売却理由が気になるけど、ご両親のために実家に帰らなくてはならないというものだった。

 

売主が新居のために用意した家具や全室についているエアコンなどは置いていくという。譲渡可能な家具の総額は三桁万円を超えるそうだった。ここまで行くとなんだか不思議な感じだが、新居のために用意したものはほとんど必要なくなるのでどちらにしろ処分するのだろう。

実際に見に行ってみたら思った以上によかった。施主の旦那さんの趣味なのだろう、かっこいい外構、かっこいい内装、高い天井とシンプルな窓、こだわったドア、そしてちょっとだけかわいいキッチン。(キッチンはたぶん奥様の趣味なのだろう)譲る家具一覧にTV(要確認)とあったのは気になった。

居住中の物件の内覧は初めてで、服が入っているクローゼットをガンガン開けていく不動産屋を見ながら不思議な気持ちになった。当日売主は不在だったので、二人の不動産屋が案内してくれた。

全体的にきれいで、モデルハウスに少しだけ生活感をプラスしたみたいな暮らし方だった。そしてダイニングにある高そうなテーブルで詳細な話を聞くことになった。

 

案内をしてくれた不動産屋のうちの一人は3年前くらいに売主に売却した担当者だという。気遣いのできるトークで限られた時間内にこちらに必要な情報を伝えようとしているのが分かった。余談だけど、内覧の時にハザードマップを用意してくれた不動産屋はここともうひとつだけで、どちらも好感が持てると感じた不動産屋だった。こちらの不動産屋はそれに加えて近隣に杉が多いか(花粉症の人のためだろう)、競輪施設や商業施設があるかなどの情報もあり、細やかな気遣いが感じられた。

何より売主が購入した時の不動産屋に任せたいと考えたのは悪くないと感じた。買った時に信用出来ないと思っていたら別の不動産屋に頼むだろうと思ったからだ。

 

ところでsuumoに掲載されている新築物件は大体複数社が情報を載せている。「地名  ○○万円」で検索すると他社が撮った違うアングルの写真も見られるし、運がよければ売主を見つけることも出来る。売主に直接連絡が取れれば仲介手数料は不要だし、他に販売した物件の評判も分かるのでオススメだ。

中古物件は新築とは事情が違うようで、一社しか扱っていなかった。つまり売主ではないけど担当する会社が明確に決まっている。これは意外と重要だった。先に他社から内覧を申し込んで事前審査待ちという人がいたけど、担当する会社で申し込めば優先度は高くなるのだ。

 

良い物件はすぐになくなる。内装や外構が良くてしばらくネットに掲載されている物件は何かしらの事情がある場合がほとんどだ。時間に余裕がある場合はグーグルマップから場所を特定してから見に行くのをオススメする。不動産屋は住所を明記しないことがほとんどだけど、外観の写真や近隣情報から特定はできる。(ただし結構大変なので根気がいる)グーグルマップは小さい道路でなければストリートビューで数年前までの写真を確認出来るので、その土地が以前家だったのか畑だったのか、林だったのか駐車場だったのか、いつ更地になったのかまで確認出来ることが多い。地盤や治安を気にするならこのあたりはある程度気になる部分だ。それに、周辺の道路の広さや雰囲気も見に行く前に確認出来る。

実際に確認したなかなか売れない事情がある物件はガソリンスタンドや鉄塔や川の真横だったり、資材置き場が近かったりした。しかも担当している不動産屋の写真はこういうのを巧みに写さないようにしていることが多い。

 

今回は掲載後間もなく、先に物件を見たのは2組、そのうち1組が事前審査待ち、後から聞くと私達の他に合計3組が事前審査を検討していた。不動産屋はハッキリとは言わなかったけど今申し込めば間に合うのだと感じた。

 

他に用意した物件を見せてくれるというので移動中の車内で夫に感想を聞いたところ、今まで見た中で一番気に入った、あそこに住みたいというので、事前審査をお願いすることにした。

不動産屋のいう「他に○件の方が検討中で〜」というのは方便も含まれると考えているけど、重要なのは物件を気に入ったか、その価格を出してもほしいかというところだったので特に問題はなかった。それに同じエリアで同じ家を建てたらその価格で買うことは難しいだろうと思った。

 

この段階になると事前審査を早く通せる人が有利になる。だが担当する不動産会社を通したことが功を奏した。こちらを一番手として扱ってくれるということだった。