本審査

仮審査が通ったあとにいろいろと調べて不安になってきた。

『ネット銀行は本審査に時間がかかるし、対応も遅く悪い』

『ネット銀行は仮審査はすぐに通るけど本審査は厳しい』

『クレジットカードをたくさん持っていると本審査に響く』

『クレジットカードのキャッシング枠は解除した方がいい』

などなど。

不安に思った時は不動産屋の担当者がひとつひとつ回答してくれた。

 

「住宅ローンの審査は、個人でやるものと不動産屋を通してやるものは全く違う性質のもので、不動産屋は物件の資産価値を先に提示出来るので個人でやるよりも精度が高いんです」

「クレジットカードの枚数が多いことは特に影響しません」

 

また、揃える書類をリスト化してくれてどこで入手するかまで書き添えてありとても助かった。ネット銀行は窓口がないため、書類が足りないと審査期間がのびる、書類集めがとにかく大変という体験談を多く読んだ。

 

本審査前に契約があり、不動産屋からは「○○様のようなお客様にご購入いただけるということで売主様も喜ばれておりました」というメールが届いたけど、これで本審査が通らなかったらどうしよう…という思いの方が強かった。

 

不動産屋が作成した予定表はそれなりに余裕を持って立てられていたものだと思う。契約から3週間ちょっとまでに審査がおりなければ白紙契約というものだ。属性がいい人は本審査申し込み後数日で結果が出ると言うが、我が家は属性がいいとは言えない。

出来る限り早く申し込み、なんとも言えない気持ちで連絡を待ち続けた。楽しかったインテリア選びや部屋の妄想も気が気じゃなくなるためできるだけ考えないようにした。ネットで『銀行 本審査』で検索をかけて体験談を読んでみたり、時には突然死にたくなったりした。なんだかこれまでの人生を審査されているような気持ちになるのだ。

 

そんなふうに過ごしていたら2週間経ってようやく連絡が来た。

内容は『書類が足りない』とのことだった。そしてやはり少し特殊な属性のため行内で稟議が必要との事だった。(稟議って半沢直樹でしか聞いたことがないのでちょっとビックリした)

 

土日を抜いたら白紙契約になるまで4日の夜の事だ。翌日の午前中に書類を揃えて速達で送ったとしても残り2日。このスケジュールでは到底間に合わない。ただこの審査結果が出ていないというケースでは契約白紙は当てはまらず不動産屋が売主に事情を説明して承諾を得てくれたため、猶予がもらえることになった。

 

また審査結果を待つ日々が始まった。

 

時間がかかった上に本審査に落ちてしまったら売主のスケジュールにも支障が出てしまう。

でもいくらネットで検索したとしても結局は個々のケースによるので安心は出来ないし、銀行の判断を信じて待つしかなかった。

あまり頻繁に住宅ローン審査をするのもよくないと聞くし、もしダメだったらまた1年後とかに再チャレンジするしかない。

 

書類を送付して3週間後、契約からはちょうど一ヶ月たって本審査承認の書類が届いた。

もっとかかるかもしれない、ダメかもしれない、と思っていた矢先だった。ダメでも落ち込まない心の準備もしていたところだったので安心半分、本当に通ったんだ…という気持ち半分。

ネットで検索すると楽天銀行の住宅ローンは厳しい、通らない、という書き込みを見かける。大丈夫、属性に不安があっても通してくれる人はいるよ、と伝えたいけどあまり詳しく書けないのがもどかしい。

「本審査、通ってよかったですね」

楽天銀行で実行するのは初めてです」

と不動産屋に言われたので、やっぱり五分五分だったのかもしれない。