どうする?

おじさん(建築家)に「収納がたくさんほしい」と言った時に言われた「普通だね」という言葉が頭に蘇る。

いくつかのブログを読んで分かってはいた。建築家と名乗って仕事をしている人はアーティストだ。気が合うアーティストが見つかれば最高なのだが……

 

このあたりで3回くらいは諦めようかとぼんやり思った。考えることが多すぎる。

土地の広さは、価格は、場所は、不動産屋のこと、ローンのこと、家のローンは建物が出来てから開始になるので土地を買うためのつなぎ融資のこと、税金のこと、建築をどこに依頼するか、間取りはどうしたいか。当たり前だけど建売を買うよりも考えることが圧倒的に増えるのだ。

夫は特にこだわりがないのでよく分からないと言った。だから私の心が折れたら家探しどころか引っ越しさえなくなる可能性がある。

 

ところで建築家に支払う金額は全体の工事料の10%〜というのが多い。

10%の場合3000万円の建物なら(建築家に依頼する場合はここらが最低ライン)そのうちの300万円が建築家に払われる。決して高い金額ではないと思う。経験値が高く、責任を持って竣工まで管理してくれるという点と、凡人には思いもよらない提案が出来るという点は魅力的だと思う。

家を建てた友人の知り合いも建築家に頼んだという人がいて、いわく「気が合わない建築家は時間の無駄」だそうだ。

気が合う建築家や工務店を探す、確かにこれは重要だと思う。

 

問題は近隣でお願い出来るところが見つけられるかという点だった。家が建つまで何度も打ち合せをするので通える距離じゃないと大変だ。

 

不動産屋では「建物の価値は時間が経てば必ず下がる。不要になった時に売却することを考えると土地の立地が全てです」と言われた。建築家のおじさんは「不動産屋は高い土地を売りたいからそう言うけど、価値のある建物のためお金をかけるべきだ」と言う。お金が潤沢にあればどちらも叶うけど、限られた予算内で建築家に依頼することに価値があるものかどうかは慎重に検討した方がいい。

 

工務店に依頼する場合は建築家に支払う設計料300万円分を土地代か建築費に当てられる。300万円あれば設備費としてはかなり助かる。他の人の例を見ると最終的には予算をオーバーしがちで、10万円20万円の設備の減額調整はよくあることだ。

 

何通か工務店から資料も届いていた。

自然素材にこだわる工務店や、ナチュラルカントリーテイストの工務店など。資料の作りは色々で、家庭用のインクジェットプリンタでプリントした紙資料や、家ごとに小冊子を作っている工務店、こだわりの床材のサンプル(!)が同封されている工務店もあった。

どれもしっかりとした家の写真ばかりだったけど「これだ!」という決め手にはならなかったのでとりあえず話だけでも聞いてみようと考えていた。

(物件Aの工務店にも問い合わせてみたけど、建売で手一杯なので注文住宅は受け付けていないとの事だった)

他の建築家から資料も届いていた。こちらは蝋で封がしてあって雰囲気が素敵だったけど、新幹線に乗らないと会いに行けない。

 

資料の送付ではなくメールの返信のみの工務店があった。ここはサイトに資料請求のフォームがなかったので、耐震等級に関する質問だけ送っていたのだ。工務店にしては珍しく思い切った作風で型にハマらない施工例は社内の一級建築士のこだわりを感じさせた。

難点は少し遠い。車で1時間半はかかる。

 

とりあえず会って話だけでもしてみようと思った。