工務店?
次に会うことになった工務店は意図して小規模な工務店を選んだわけではなかったけど、よく確認すると親方と息子と娘婿、三人だけの会社だった。
対応してくれたのは親方と一級建築士の娘婿(以降お兄さんと呼ぶ)だ。義理の親子ながら仕事上は長い付き合いのようで、親方が言ったことにたいして遠慮なく間違いを指摘できる親子関係には好感が持てた。
お兄さんは穏やかな語り口で写真を交えながら今までつくった家の施主の要望とどうしてこうしたのかという説明をした。
以前話をした建築家のおじさんはどんな難しいことをしたか、自分のアイディアや技術についてだったのにたいして、お兄さんは施主の希望にたいする応え方の説明だった。
夫の仕事の関係で急な約束だったにも関わらず専用の資料も作成してくれていた。
話したのは1時間半くらいの時間だったにも関わらず、「この人たちにお願いしたいなぁ」という気持ちになっていた。
お兄さんの設計する家はかっこよくて、挑戦的なデザインでもあった。その中でも施主に寄り添おうという意図も感じられた。
それでも問題点が全くないわけではなかった。
基本的に(ハウスメーカーに比べると)大幅なコストカットは難しいこと。打ち合わせに通うには少し遠いこと(お兄さんはこちらに出向くこともできると言ってくれたけど、どちらにしても労力を使う)
「お話して、模型を作ってお見せするところまでやらせて頂いて、もしそれであわないと思ったら断って頂いてもいいです。出来ればそこまでやらせて頂けたら…」とお兄さんは言った。
是非お願いしたいと思った。
とはいえ、もう一件建築事務所の話を聞くことになっていた。現在進行形の話なのでどうなるかはまだ分からない。